チカルミー株式会社

推し聖地めぐりとオーバーツーリズム

地元や常連が大事?お金を落としてくれる人が大事?無限ループの悩み

先日、私の推しが大阪の小さな天ぷら屋さんに行ったらしいです。
その時の一連の流れと過去の思い出から
推しの聖地めぐりとオーバーツーリズムって何か似てるな。
答え出ないんだよなー。と思った話。


大阪のお話
冒頭の天ぷら屋さんの話。
お店の店主さんは嬉しく思っていただいたんでしょう。
インスタに、来店の写真とサインをアップされておられました。

イベントの前日に推しが来店し、来店日翌日にお店のインスタアップ
どうやら問い合わせ殺到したらしく
イベント当日は定休日だったのに、店主さんファン限定で急遽開店するという旨を追加アップされていました。

いちファンの私は、行かねば!!! もちろんメモメモ!!!した私ですが
休日返上して開店されたことで、とてもとても心配になりました。
大阪でイベントがあるごとに、そこに予約が入ることでしょう。

店主さんのインスタによると、常連さんが多いお店のよう。
そんな中、嵐のようにやってくる推し聖地訪問のお客。
私が常連さんだったらおそらく行かなくなる。もしくは行く頻度減らす。

これっていいことなんでしょうか?

東京のお話
何年か前にも、東京の小さなとんかつ屋さんで、ファンが行列を作ることがありました。
これは、お店からの発信はなく、ファンの間だけで広がったと記憶しています。
そこが閉店すると決めた時の行列は凄まじいものでした。
閉店まで何日も続いたと思います。

閉店の理由はわかりません。
単純に区切りを付けられたのか、
ファンがずっと行くため、疲弊されてしまったのか・・・

かく言う私も、はい、すみません、行きました。
が、閉店までの間、どのくらい常連さんは行けたのだろうか
店主さんは長年続けられたお店の終わりがそれでよかったのだろうか
と今となっては思います。

改めて、これっていいことなんでしょうか

この何とも言えないモヤモヤって何だろうと考えた時に繋がったのが
オーバーツーリズム。
外的要因によって、もともと行っていた人が行かなくなる、居た人が居なくなる

大阪のひっかけ橋とか、グリコの辺りがまさにそうだと思うんですよね。
私も、昔はお買い物すると言えば難波や戎橋商店街だったけど、
今は、観光客仕様になってしまったので、もう行かなくなりました。

これって、良いことなのでしょうか?
お店の人にとっては、常連さんも、一元さんも同じお客だからいいのかな?
お金払ってくれたらそれでいい?

でも、コロナ禍で苦しんでいた難波を思い出すと、
やっぱり、地元の人や、常連さんって重要だと思うんですよね。

そういえば、余談ですが、学生の頃、「世界遺産の光と影」というタイトルで、卒業論文を書きました。
論文というには恥ずかしいものですが、若かりし頃の私も
世界遺産って登録したいのは、地元の住民よりも、行政なのでは?
地元の人はどう思ってるの?
ということが気になり、石見銀山を対象地として、ヒアリング調査に行ったことを思い出しました。

世界遺産や卒論のことは、また別の機会に書きたいと思います。

近年、DMOのKPIに「住民満足度」も入れることが推奨されています。
   参考:観光地域づくり法人(DMO)登録要件等に係るQ&A
それは、「地元住民も大事にしましょう!」という流れだとは思いますし、
個人的には、良い流れだと思っています。

ただ、じゃあ観光促進と住民の満足度向上って具体的にどうすれば良いのかは、
「どこを大事にするか」という全体の方針が重要なのかなと思います。
うちの店は常連さん第一!うちの市は、住民第一、その次が観光客!
その逆もしかり。
方針がはっきりすれば、進むべき方向が見えて、
その上で、常連さんや住民のためにしなければいけないことも見えてくると思います。

とはいえ、オーバーツーリズムの悩みは、観光の課題の中では1つ上のレベルの課題です。
多くの地域は、まずは、来てもらうということが大変!!
ただ、将来たくさんのお客さんが、来てくれることになった時のことも想定しておくということも重要だなー

と、推し活から、考えたことでした。